白内障について
白内障とは?
眼球の中にある水晶体というレンズが混濁した状態を白内障といいます。白内障の原因でもっとも多いのは加齢によるものですが、糖尿病、アトピー性皮膚炎、外傷、ステロイドなどの薬物の使用歴、虹彩炎、眼の手術の後、紫外線、その他先天性の病気によるものもあります。
白内障の症状
白内障が進行すると、かすむ、まぶしい、見えにくい、片目で見ても二重に見えるといった症状が出てきます。
眼底出血や進行した緑内障でも、かすむ、見えにくい、など白内障に似た症状を自覚することがあります。これらの病気は放置すると手遅れになることもありますから、白内障かな、と思ったら、必ず眼科にて診察を受けることをお勧めします。
白内障の治療法
白内障の進行を遅くする目的で、点眼薬を使うことがありますが、症状を改善したり、視力を回復させることはできません。 一度混濁した水晶体はもとの透明な状態に戻ることはないため、濁りのない状態にするためには、手術が必要です。
白内障手術について
当院では日帰り白内障手術を行っております
点眼麻酔で行う15分前後の手術です。症状の進行具合や視力、生活や仕事、車の運転の有無などによって手術時期は一人一人異なります。
手術の流れ
-
診察
視力検査や診察を行い、その結果やご本人の症状から、手術が必要かどうか判断します。
-
手術日の決定
-
通院手術までに2回通院が必要です。
手術までに、「術前検査」と「手術説明」の2回の通院が必要です。
-
手術当日
手術開始の2時間半前にご来院いただき、手術の準備をします。手術時間は15分前後です。手術後は眼帯をして、リカバリー室で休んでいただきます。
-
手術翌日
翌朝ご来院いただき、眼帯を外して診察をいたします。お昼からはご自身で点眼を行っていただきます。
-
術後の通院
手術後2〜3日で視力検査を行います。その後、変わりなければ手術後1週間、2週間、1か月、2か月、3か月の定期検診に来ていただきます。
手術費用
通常の白内障手術は保険診療でおこないます。
1割負担の患者さま | 片眼 約16,000円 | 両眼 約32,000円 |
---|---|---|
2割負担の患者さま | 片眼 約32,000円 | 両眼 約64,000円 |
3割負担の患者さま | 片眼 約48,000円 | 両眼 約96,000円 |
当院では、短期滞在手術等基本料1の施設基準の届け出を行い、上記にはその費用が含まれております。
眼の状態や、その時に必要な処置、薬によって、多少変わることがあります。
多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は「選定療養」にて行えるようになりました。
2020年4月より、保険外併用療養費制度内の、「選定療養」という枠組みで、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術が行えるようになりました。
「選定療養」により、白内障手術自体は保険適応となり、多焦点眼内レンズを選択することで増える費用(多焦点眼内レンズと単焦点眼内レンズ代金の差額+多焦点眼内レンズ適応決定に必要な追加検査の検査料)の部分の費用は自費でお支払いいただくことなりました。
多焦点眼内レンズの種類 | 金額 |
---|---|
テクニスシンフォニー | 107,750円 |
テクニスシンフォニートーリック | 129,750円 |
テクニスマルチフォーカルワンピース | 107,750円 |
テクニスシナジー | 206,750円 |
テクニスシナジートーリックⅡ | 228,750円 |
多焦点眼内レンズについて
健康保険の適用内では単焦点眼内レンズが使用され、術後は「遠方」、「中間距離」または「近方」のどこかにピントが合うように選びます。そのため選んだ場所以外を見るとき(例えば遠方に合わせたレンズを入れた際には近くを見るとき)はピントが合わないため、はっきり見るためには眼鏡が必要になります。
「遠方」が見えるイメージ
「近方」が見えるイメージ
多焦点眼内レンズは、なるべくメガネをかけずにより快適な生活ができることを目指して開発されたレンズであり、遠方と近方などの2か所にピントがあう2焦点眼内レンズや、遠方からやや近方まで焦点深度を拡張させた眼内レンズなどがあります。
2焦点眼内レンズのイメージ
焦点深度拡張型眼内レンズのイメージ
しかしながら、目に入ってくる光を複数の場所にピントが合うように分散させるため、単焦点に比べるとピントが “あまい” と感じられる、夜間の対向車のライトがにじんで見えることがあります。また、緑内障や網膜の病気など、ほかの眼疾患を合併しているときは、適応になりません。
当院では患者さまが白内障手術をお受けになる際には、一人一人に適した眼内レンズを選択できるよう、十分に説明して相談に応じます。